長嶺さん、大丈夫ですか?
「……って、待ってください。 このまま一緒に出社するつもりですか!?」


 理子ちゃんが目を丸くして振り返った。


「うん。 だめ?」

「だめに決まってるじゃないですか!誰かに見られたらどうするんですか!」
 
「え~? 一緒に行きたーい」

「なに高校生みたいなこと言ってるんですか! あとから来てください! それとなく時間ずらして!!」

「はいはい」


 そうやってあからさまにビクビクしてる方が怪しく思われそうだけど、と思いながらもまぁいいか、と靴を脱いだ。


「……じゃぁ、えっと、」


 俺と向き合って、なにか言葉に迷ってるらしい理子ちゃんが視線を泳がせる。


「?」


 理子ちゃんが徐々に顔を赤くさせていく理由がわからなくて、ただその様子を見守ってみる。


「いっ……お先、です」

「……」


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