長嶺さん、大丈夫ですか?
 なるほどね。 麗華さんはきっと俺みたいなチャラいやつがタイプなんだな。
 ……可哀想に。そりゃうまくいかないわけだ。


「普通に愛されたいだけなのに。 どうしてこんな目に合わなきゃいけないの」


 そう言って麗華さんは、またぽろぽろと涙をこぼしていく。


「嫌い……みんな嫌い」


 両手で顔を覆ってさめざめと泣く麗華さんはとても痛ましくて、自分が泣かせてるような気分になってくる。
 俺は頭を掻いて、麗華さんの前にしゃがんだ。


「あのさ。 嫌いなのって、ほんとに〝みんな〟?」

「……え?」


 麗華さんが顔から手を離して、目を丸くして俺を見る。


「〝自分〟じゃなくて?」

「……!」


 クズに引っかかって自爆する女の子は大体相場が決まってる。
 著しく自己肯定感の低い女の子。
 自分を好きじゃないから、自分のそばに来てくれる優しい風な男に依存してしまう。


「自分が自分のこと嫌いなのにそれを人に好きになってもらうって、もし好きになってもらえたとしても信じられなくない? 別に男に好きになってもらわなくたっていいだろ。 自分が好きだと思う理想の自分になるために人生使ったほうが得だし、結果的にいい人と巡り会えそうな気がするけど」
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