長嶺さん、大丈夫ですか?
 そこでスマホが震えて、メッセージ受信を知らせた。


【お疲れ】


 ……驚いた。

 長嶺さんからのそのなんでもない癒し系クマさんのスタンプひとつで、今の今まで不安だった気持ちが和らいでしまった。
 お疲れ様です、と返そうとしたところで次のメッセージが来た。


【ねえ】

【知ってる?】

【来週の週末はクリスマスだよ】


 ちら、とこちらを覗き見てくるスタンプが添えられて、胸がきゅんと高鳴った。


【イヴデートしよ】


 不安はいとも簡単に吹き飛んでしまった。
 ほわ、と嬉しさが広がって、頬の筋肉が緩んで口角が上がりそうになるのを、必死で抑える。


 【します】と私が返すと、ニコニコのスタンプが返ってきて、とうとう口角が下がらなくなってしまった。


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