長嶺さん、大丈夫ですか?
⌒* ⌒* 




 そして私たちは予定通りの時間にC’sフード本社に到着すると、受付で社長に繋いでもらう。
 中小企業であるノイーズに比べ、とても豪勢な大きなビルだ。 改めて大手老舗企業の威厳を感じる。
 間もなくやってきた秘書の女性に連れられてエレベーターで最上階に上ると、扉をいくつかあけてようやくたどり着ける社長室。
 
「やぁ長嶺さん。 待ってたよ」

 はい出ました、変態セクハラジジィ。
 今日も派手なスーツに自分がかっこいいと勘違いしてる決め顔でお出迎えです。
 私は長嶺さんと一緒に完璧な営業スマイルを社長に送る。

「本日はよろしくお願いします」

 そして最後の商談が始まった。
 商談はスムーズに進んだ。
 途中いくつか社長からの質問に答え、途中雑談も交えつつ基本契約書の内容の最終確認をすると、社長は満足げに頷いた。

「うん。 じゃあこれからよろしく頼むよ」

 社長は笑顔で立ち上がって長嶺さんに右手を差し出した。
 
「ありがとうございます」

 長嶺さんはその手を両手でつかみ、二人は硬い握手をする。
 晴れて契約成立となった。

< 23 / 284 >

この作品をシェア

pagetop