長嶺さん、大丈夫ですか?


「花ちゃん、営業三課の同期に告白されたんだって?」


 昼休みの会社の屋上で、ダイエット中だという東さんがプロテイン片手に私に聞いた。


「……なんで知ってるんですか」


 私はあんパン片手に、質問に質問を返す。


「なんで教えてくれないのよ!そんな面白い話!」

「なんで教えなきゃいけないんですか、面白がる人に」


 二月の終わり、まだ冬の匂いがする屋上に人はなく。
 束の間の休憩、東さんと過ごす時間はとても楽で、居心地がいい。
 ちなみに告白されたのは営業三課の山佐くんだけじゃない。
 取引先の人と、総務の人にも。
 どうやらこんなタイミングでモテ期というものが来てしまったようだ。


「きっと最近花ちゃん隙ができたから、いけると思ったメンズが動き出したのね」

「はい?」

「独り言よ。 で、返事したの?」


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