長嶺さん、大丈夫ですか?
「は……?いつから……?」

「……クリスマスイブの日に、お別れしました」


 きっとイブの日に自分がしたことを思い出したのだろう、麗華さんは動揺を瞳に含ませた。


「えっ……?嘘……」

「本当です」


 じとっと麗華さんの様子を見守るだけの私に、麗華さんはキッと私に敵意を向ける。


「っ、なによ、私のせいだって言いたいの……!?」


 麗華さんのせい……?


「……違います。 私のせいです」

「え……」

「失礼します」


 私は頭を下げて、麗華さんの前から立ち去る。


 ……そう。私のせいだ。

 私が弱いから。


「っ……、」


 今みたいに、もう一カ月も前のことを思い出して仕事中に泣いてしまう程、弱いから。

 この先こんなんじゃやってけないって長嶺さんは思ったのだろう。

 ……泣くな。 強くならなきゃ。
 私はアユコみたいになってはいけない。
 一人でもちゃんと立っていられるように、強くならなきゃ。







 
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