長嶺さん、大丈夫ですか?
「花樫さんは肌がとってもきめ細かいね。 バランスのいい食事をとってる証拠だね」

「あ……はは、そう、なんですかね~」

「全身こんな感じの肌触りなのかな?」

「っ……」

 いや、今のはさすがに気持ち悪い。
 さぶいぼが止まらず、笑顔を作るのが難しくなってきた。

「あ、あの、大河内社長……」

 私が後ずさろうとすると社長は私に距離を詰めてソファに座らせて、社長自身も密着して隣に座る。

「きゃっ」

 思わず小さな悲鳴をあげたけど、社長はいやらしい笑みを崩さない。

 怖い……っ

「いやぁ、嬉しいよ。 これからもたくさん会えることを楽しみにしているからね」

「あ……これからは専門の担当者に引き継ぎますので……っ」

「そうなの? なんだ、そういうことなら今度美味しいものでも食べに行こう」

 そう言って社長は、私の腰に手をまわした。

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