長嶺さん、大丈夫ですか?
「そういえばそっち一人足りなくなーい?」


 東さんの同級生で保育士だという今日の幹事が、男性陣の空いた席を指差した。


「外科医のやつなんだけど、緊急のオペ入ったらしい。遅れるけど来るって」

「外科医!?」


 私と東さん以外の女性二人がわかりやすくテンションをあげた。よくわからないけど、外科医ってモテるらしい。


「あー……でもそいつキケンだから気をつけて」


 キケン……?


「悪いやつじゃないんだけどね」


 いや、どっち?



 女性陣がキョトンとした次の瞬間、部屋の襖がタンッと開けられた。


「あ、お疲れ」

「おー、疲れたわ。手術八時間もかかってー……」


 そして、外科医にしてはずいぶんワイルドなその男の人と、真っ先に目が合った。


「……!」


 既視感のある、ぶちぶちにあいたピアスと首筋にタトゥー、顎髭とツーブロック。


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