長嶺さん、大丈夫ですか?

「花樫さんってぇ、めぇーっちゃ美人だね〜」


 そして合コンが始まって一時間弱。
 私は小児科医だと言う小太りの優しそうな男性に絡まれていた。
 ニコニコするその人は、かなり酔っ払ってる様子。
 助けを求めて東さんを見ると、東さんは他の男性陣を相手に説教するので忙しそうだ。


「……そんなことないです」


 あぁーもぉー早く帰りたいー、と思いながら笑顔でかわす。
 
 
「そんなことあるよ~!ほんとに彼氏いないの~?」


 小児科医さんはお酒のせいで距離感がバグっている。


「あの、近いですっ」

「え〜? ふへへ、花樫さんいい匂いするね〜」


 首筋をクンクンされて悪寒がした。

 嫌……! 気持ち悪い!




< 254 / 284 >

この作品をシェア

pagetop