長嶺さん、大丈夫ですか?
固まる私と反対に、周囲を歩く人たちがざわざわと色めき立っていく。
「理子ちゃん」
こんな人がたくさん行き交う中で
「好きだよ。人生をかけて幸せにしたいと思うのは理子ちゃんだけだ」
たくさん人が見てる前で、長嶺さんははっきりと言う。
「悲しませたくないから、幸せになって欲しいから離れたけど、やっぱり諦めたくない。これからも不安にさせるかもしれない、泣かせちゃうかもしれない、だけどこれから、少しずつその不安がとれるように毎日好きだって言うよ」
長嶺さんは私の手を取って引き寄せ、私に花束を持たせる。
「過去はもうあげられないけど、俺の未来を全部あげる。結婚しよう。理子ちゃん。それで、一緒に幸せになろう」
長嶺さんは懇願するような目で、私を見つめた。