長嶺さん、大丈夫ですか?
着いた場所はビジネス街の端にある海沿いの広々とした公園。
再開発で作られた新しい公園だ。
静かな公園の対岸には高層ビルがひしめき合い、海にかかる大きな橋が見える。
一服するスーツの人、遅いお昼を食べながらスマートフォンをいじるOLや犬の散歩をする主婦、みんなそれぞれゆったりとした時間を過ごしている。
車から降りた私たちは、公園内に海を一望できる木製のベンチを見つけ、そこで休むことにした。
「はい」
長嶺さんが、ぼーっとしていた私に近くの自販機で買ってきてくれたらしいミルクティーを差し出した。
「……ありがとうございます」
受け取ると、手のひらに暖かさが広がっていく。
長嶺さんは私から人一人分ほどの間をあけて座ると、ブラックの缶コーヒーを開けた。
橋をくぐった旅客船がテノールの汽笛をゆっくりと鳴らした。
「……」
なんて穏やかだろう。
安心したからか、さっきあったことが鮮明に思い出されてきて、今更恐怖で体が震え始める。
「……花樫さん?」
気付いた長嶺さんが心配そうに声をかけてくれる。
「……っ」
声を出したら溢れてしまいそうで、返事ができない。
「……」
長嶺さんが、静かにタオルハンカチを差し出した。
「……ありが、と、ござ……っ」
再開発で作られた新しい公園だ。
静かな公園の対岸には高層ビルがひしめき合い、海にかかる大きな橋が見える。
一服するスーツの人、遅いお昼を食べながらスマートフォンをいじるOLや犬の散歩をする主婦、みんなそれぞれゆったりとした時間を過ごしている。
車から降りた私たちは、公園内に海を一望できる木製のベンチを見つけ、そこで休むことにした。
「はい」
長嶺さんが、ぼーっとしていた私に近くの自販機で買ってきてくれたらしいミルクティーを差し出した。
「……ありがとうございます」
受け取ると、手のひらに暖かさが広がっていく。
長嶺さんは私から人一人分ほどの間をあけて座ると、ブラックの缶コーヒーを開けた。
橋をくぐった旅客船がテノールの汽笛をゆっくりと鳴らした。
「……」
なんて穏やかだろう。
安心したからか、さっきあったことが鮮明に思い出されてきて、今更恐怖で体が震え始める。
「……花樫さん?」
気付いた長嶺さんが心配そうに声をかけてくれる。
「……っ」
声を出したら溢れてしまいそうで、返事ができない。
「……」
長嶺さんが、静かにタオルハンカチを差し出した。
「……ありが、と、ござ……っ」