長嶺さん、大丈夫ですか?
「もしこれからまたこういうことがあったら言って。 そこにいなかったら呼んで。 すぐ助けにとんでいくから。 どんな手を使ってでも、絶対花樫さんのこと守るから」
その時
「っ」
心が揺れるってこういうことか、と思った。
「わかった?」
念押しする長嶺さんの真剣な表情に、時が止まったような感覚に陥った。
それでも心臓は大きく速く、怖くなるほどに高鳴っている。
いたたまれなくなって、長嶺さんの視線から逃げるように目を逸らした。
「っ……わかりまし、た」
バグだ。
感情がバグを起こした。
大嫌いな長嶺さん相手にこんな顔が熱くなるなんて。
今日のことがショック過ぎておかしくなってしまったんだ。
「……そうだ、皐月姐さん呼ぼうか」
顔を隠す私をまた泣きだしたと勘違いしたのか、長嶺さんは立ち上がって私に背を向けてスマホを取り出した。
「あ、トレーナーも部長に相談すれば女性に変えてもらえるかも」
大丈夫です、と言おうとしていた私は、予期しない長嶺さんの言葉に思考停止する。
「男の俺とずっと一緒に仕事するの、さすがに辛いでしょ。 部長に聞いておくよ。 とりあえず今日はもう早帰りして休みなー」
長嶺さんは困ったような笑顔でそう言うと、缶コーヒーを飲み干してスマホを耳にあてた。
そしてそのまま私に背を向けて歩き出す。
その時
「っ」
心が揺れるってこういうことか、と思った。
「わかった?」
念押しする長嶺さんの真剣な表情に、時が止まったような感覚に陥った。
それでも心臓は大きく速く、怖くなるほどに高鳴っている。
いたたまれなくなって、長嶺さんの視線から逃げるように目を逸らした。
「っ……わかりまし、た」
バグだ。
感情がバグを起こした。
大嫌いな長嶺さん相手にこんな顔が熱くなるなんて。
今日のことがショック過ぎておかしくなってしまったんだ。
「……そうだ、皐月姐さん呼ぼうか」
顔を隠す私をまた泣きだしたと勘違いしたのか、長嶺さんは立ち上がって私に背を向けてスマホを取り出した。
「あ、トレーナーも部長に相談すれば女性に変えてもらえるかも」
大丈夫です、と言おうとしていた私は、予期しない長嶺さんの言葉に思考停止する。
「男の俺とずっと一緒に仕事するの、さすがに辛いでしょ。 部長に聞いておくよ。 とりあえず今日はもう早帰りして休みなー」
長嶺さんは困ったような笑顔でそう言うと、缶コーヒーを飲み干してスマホを耳にあてた。
そしてそのまま私に背を向けて歩き出す。