長嶺さん、大丈夫ですか?
 それもこれも何も考えず与えられるものだけで生きてきたせいなのでは、と考えた私は誰にも内緒でレストランのバイトを始めた。
 高校生と偽って。
 そしてすぐバレた。
 多方面からすっごく怒られた。
 法的な問題で店側と色々あったけど、父がお金で解決した。
 そして、私は思った。
 楽しい。 仕事って、楽しい。
 働くとお金をもらえる、というシステムに胸が躍った。
 それから私の趣味は、『仕事』になった。
 高校生になった私は両親の反対を押し切って様々なバイトをした。
 どんな仕事も楽しかった。
 何より、それまで両親の保護の中でしか動けなかった自分が自由に羽ばたいてる感覚にドキドキ、ワクワクした。
 
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