長嶺さん、大丈夫ですか?
⌒* ⌒*





「長嶺さん」

 隣の上司に、事務の小宮さんが声をかけた。

「頼まれてたコピーとバックアップ終わりました」
 
「ありがとー……あれ、小宮さんネイル変えた?」

「あっ、はい」
 
「可愛いね」

「えっ……?」


 頬をポッと赤らめる小宮さんに、フッと極上のイケメンスマイルを見せるあざといアラサー男性。


「小宮さん、こういうくすみ系の色も似合うね」

「えっ、あ、ありがとうございます……っ。 あ、あの、また何かあったらいつでも言ってください……っ」

「ありがとー」

 
 小宮さんがキャーッと帰っていく。
 それを見送りながら私の中の何かがスン…と引き下がっていくのを感じる。

 そしてフォン、と光る隣のデスク上のスマートフォン。
 それをつい見てしまう花樫。


【ヒカル♡ アユだよ♡ 連絡先教えてくれてありがと♡ ねー昨日楽しすぎた♡ また遊ぼうね♡♡♡】

 
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