長嶺さん、大丈夫ですか?
 ッザァーーー!!


「「!」」

 
 凄まじい勢いの雨が降り出した。


「っ、」


 長嶺さんが咄嗟に猫を抱えて走り出した。


「ひとまず雨宿り!!」
 
「はいっ!!」


 長嶺さんに続いて土砂降りの中を走り、シャッターが閉まっている店の軒先に逃げ込んだ。

 私も長嶺さんも一瞬でビショビショになってしまった。


「ミィ~」

「わ、お前めっちゃ震えてんじゃん。 怖い? あ、寒いの?」

「ミィ~」


 長嶺さんは子猫の体をこすり始める。

 
「このままじゃやばいかもしんないな……花樫さん、近くの動物病院調べてくんない?」

「はい!」
 

 私はすぐにスマホを取り出して調べ始めた。
 


 
 
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