長嶺さん、大丈夫ですか?
「韓国料理と和定食だったらどっちがいいー?」

「……韓国料理で」

「うぃ。 適当に頼んじゃっていー?」

「はい」


 長嶺さんはスマホに視線を落として、長い指でトツトツと画面を叩く。 片膝を立ててそこに自分の顎を置く姿は、仕事中には絶対に見れない姿勢で、あんまり見ちゃいけないと思いつつ、見てしまう。

 そういえば私、手伝いに来たはずなのに長嶺さんに色々とお世話してもらっちゃってるな…?

 長嶺さんって結構世話好きというかなんというか……そういうところも女の子に好かれる要因なのかな。


「……長嶺さんは、遊びじゃなくてちゃんとした彼女欲しいと思わないんですか」

「んー……そういうの向いてないんだよねー」

「向いてない?」

「うん。 女の子みんな好きだから一人に決めらんない」

「最低ですね」

「うん」


 ニコーッ、じゃないんですよ。


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