長嶺さん、大丈夫ですか?
「ねぇ、このポージング可愛すぎない? マジであざといな」

「ごめん寝ポーズですね」

「ごめんねポーズ? なにそれ、知らない」

「一時期はやりましたよ」

「うわ、もしかしてジェネギャ?」

「いえ、結構前だったかと」

「えー」

 長嶺さんはスマホで「ご、め、ん、ね……」と、ごめん寝ポーズを検索し始めた。

 私は長嶺さんの隣に移動して、長嶺さんのスマホを覗き込んだ。

「あ、ちがいます」

「ん?」

 私は前のめりになって長嶺さんのスマホを指差した。

「このごめんねの『ね』は寝るの『寝』でー……」

「ストップ」

「え?」


 パッと顔を長嶺さんの方に向けると、


「……さすがにこれは、ちょっと」


 長嶺さんの顔が、すぐ目の前にあった。


「押し倒しちゃいそう」


「!?」


 いつのまにか私は、長嶺さんと息がかかるほどの距離まで近づいていたらしく。

 顔がカァッと熱を持つ。


「すっ、すみませ……っ」


 すぐさまどいて、慌てるあまりカーペットに尻餅をつく。

 それがまた恥ずかしくて急いで起き上がろうとしたところに、


「……あぁ、そっか」


 トン、と軽く肩を押された私は、

 長嶺さんに押し倒された。



「手、出されたいんだっけ?」


「え……?」



< 80 / 284 >

この作品をシェア

pagetop