携帯電話、彼との距離
「……そろそろ他人行儀やめよっか、鈴ちゃぁん?」
「あれで他人行儀って言える人初めて見たよ、海。人前で腕つかまなくてもw」
ゲラゲラと二人で笑いあう。
先ほどまでの天使のかわいらしさはどこへ行ったのやら。
私は海こと七海と目を合わせる。
「こっちでも要は、上手くやりゃいいって事っしょ?やれるって、あたしらなら!ね、鈴?」
「はいはい、海。あんたはとりま男の子たちから情報入手してよねぇ?」
「“三水難中の鬼”七海をなめんなよ?あたしだって母親死んどんねん!手段選べねぇよ!」
お互いにグータッチ。いい音がSHR中であろう学校の廊下に響いた。
「えー、では、皆さんの仲間となる転入生を紹介します。入ってちょうだい、二人とも」
私たち二人は、開けられたドアから教室に入った。