携帯電話、彼との距離
全てが調和して、個々のデザインとしても、全体のデザインとしても成立する建物となっている。

一目見ただけでは、まるで教会か何かのようにすら見える。
しかし、そんな校舎をもつこの学園は、ひっそりと自然の中に隠れ、その美しさを隠しているかというと、そうでもない。

なぜなら……


「いやぁあああああ!見て、AZB48のゆかりんよっ!!」

考え事をしていた私の腕をいきなり興奮気味に掴み、ぶんぶん振り回す少女。
ツインテールが彼女の頭の上でぴょこぴょこと揺れている。


「AZB?なにそれ。」
「んもう、知らないの⁈港区女子、それも麻布の中学校に通ってた同級生だけで作られたアイドルグループ!」

今を生きるJCなら知っとくべきでしょーーーーー!
そう彼女は付け足す。
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