携帯電話、彼との距離

ケータイデンワ

「…くだらないわね」
「んもー!鈴ならそう言うと思ったけどさー!」

開口一番言った言葉に、即、海が反応する。
こやつは反射神経を無駄遣いしすぎじゃぁないだろうか。

「反射神経って使ったら減るってもんじゃないでしょーが!」
ペシッ、という音とともに入る海のツッコミ。あれ、今私、なにか言ったっけ?
「言ってたよ!んーとにもー!」

ひとしきり感想を言い終わると(というか感想をいったのは私だけ…)。

「……妙だと思わない?」
「ん?何が?」

海の言葉にとぼけて返したものの、私も薄々気づいていた。

「その'ケータイデンワ'、仮にそれがちゃんとチカラのあった伝説だとしても…」
「…私たちのようにチカラがあるものでないと基本的には'呼ぶ'事ができない…」

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