【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
「美味し!変わってなくて安心するー」

「そっか、菜摘は2年ぶり?だっけ」


頬を緩める私に、晴樹は嬉しそうに笑う。


「そう、前来た時はね…確か紗南がかき氷落として…」

「あーー!なっちゃんやめてえー!」


恥ずかしそうにかき消す紗南にみんなで笑う。

どうせみんなの知っている思い出なのに、恥ずかしがっちゃうところがまた可愛いんだから。


気付けばまた、思い出話が始まって、私たちは高校時代と変わらない様子で笑い続けていた。


「あ、じゃあこれは?小6のときの給食でさ!」


綾羽がそこまで口にしたところで、恭弥と晴樹は何か察した様子で、恭弥は笑い出し、晴樹は口留めに係る。


「お前それまじで好きだな!いい加減恥ずかしいんだよ!」

「えーだって、超可愛くない?揚げパンのじゃんけんでさ?」


紗南も、思い出したように、可愛らしく笑い始めた。

私は、思い当たる記憶がなくて、少しキョトンとしていた。


…もしかして、忘れちゃってるかな…。


思わず、手術をした頭にそっと触れる私。

その様子に気がついた4人は、私に視線を集める。


「あっ、えっと…。」
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