【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
「えー、はるくん用意周到だね!」

「菜摘が、どうせ物足りないからって連絡してきたんだよ」

「昼のうちに俺らで買いに行ってきたんだよな」


嬉しそうな紗南に対して、買い出しに行かされた男子2人は、少し不満げ。

そんなのまったく気にしない様子で、菜摘は、楽しそうに花火を選ぶ。


「シュンくんも、お兄ちゃんも!一緒にやろうー!」


その笑顔に、先輩ふたりも寄ってきて、噴出花火を眺め始めた。

手持ち花火には興味を示さないのも、ふたりらしいと、私は小さく笑う。


「なっちゃん、火ちょうだーい!」

「いいよー!」


紗南と晴樹と菜摘。

はしゃぐ3人を見守っていると、片手に火のついた花火を2本持った菜摘が近づいて来た。
< 38 / 54 >

この作品をシェア

pagetop