血の味のする恋を知る
そして二つ目は魔の世界の者はマナがないと生きていけないが、光の世界の者はマナがなくても生きていくことができる。これはそもそもの身体の作りがそうなっているらしく、そう教わっただけで詳しいことはよく知らない。
それは人だけではなくその世界に生きる生命体、つまりは動物や虫などにも適用されるらしく、光の世界にはマナを持った動物がほぼいないのに比べて、魔の世界にはマナを持った魔物しかいないらしい。
だからこそ魔の者が光の世界に落ちた時、魔の者、魔人や魔物などはマナを持った人を襲い喰らう。
どちらの世界にも大気中にマナは存在しているが、その濃度が全く違うらしく光の世界では魔の者は大気中のマナを吸収するだけでは生きていけない。だからこそマナを持つ人間を襲い、その身に取り込むことで魔の者は生きることが出来る。
もとはひとつの世界が分かたれて作られたからなのか、時折ふたつの世界は繋がってしまう。そこから魔の世界の者が光の世界に落ちてきたり、その逆に光の世界の者が魔の世界に落ちてしまったりする。それは避けられない事故のようなものなのでどうすることもできない。
光の世界から魔の世界に落ちるならばまだ生き残る術はあるが、魔の世界の者が光の世界に落ちてきたならば、生きるためには光の世界の人を襲うしかない。
だからこそ光の世界の人はより多くのマナを持つことのできる人を集め、鍛え、魔人や魔物を駆逐するための部隊を作り、世界のために全身全霊を尽くしている。