【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
6ヶ月健診は恋のお手伝いの始まり?
「わ、わ、わ、ちょっと待った!」

 ハイハイダッシュだ!
 まだオムツ履かせてないのにっ!

 使用済みのオムツを処理してる間に、息子は行ってしまった……。
 新しいパンツ型のオムツを手に取り広げながら、玄関の方へ向かった息子を捕まえに行く。

「鉄平〜!」

 いつものことだけど、めちゃくちゃ速い!
 すると、息子の両脇を持った亮平がリビングに入ってきた。

「鉄平捕獲した。こいつオムツ履いてないぞ」
「だっ」
 
 うん。なんとも間抜けな格好だ。

「またハイハイダッシュされたの。元気過ぎるんだよ。あ、おかえりなさい!」

 帰宅したら、玄関にオムツを履いてない息子がいて驚いたことだろう。

「ただいま。持ってるから履かせろよ」

 生後6カ月になる息子、鉄平(てっぺい)をそのまま持ち上げていてくれる。
 素早く、オムツとズボンを履かせて、そのまま鉄平を受け取る。

「鉄平、待ってろよ。手、洗ってくるからな」
「あ、ねぇ、それならお風呂にお湯張ったし、このまま入っちゃった方がいいんじゃない?」

 先にご飯を食べると、お風呂までに鉄平が寝てしまう可能性がある。それは困る。

「あぁ、そうだな。じゃあ、準備出来たら呼ぶから連れてきて」

 私の旦那様、藤田亮平は、大学附属病院に勤務する小児科医。
 当直がない日は、必ず鉄平をお風呂に入れてくれる。鉄平が生まれた時から沐浴は亮平の役割だった。今はもちろん一緒に湯船に。
 うん。よく出来たパパだと思う。
< 100 / 154 >

この作品をシェア

pagetop