【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
 私たちの母校聖堂館学園は関西では有数のカトリックミッションスクールだ。
 情操教育がしっかりしているせいか、思春期特有の照れや反抗期をあまり感じることなく過ごしてしまう。
 それは男女共に同じで、亮平との関係は中学に入っても変わることなく、一番近い存在。幼馴染というよりは、やはり双子の姉弟に近い感じだった。

 その関係が一転したのが、高等部に上がった5月のことだった。

 聖堂館学園では高等部に上がった時、1クラス分の外部入学者を取る。
 男子にとっては偏差値が高く進学率の高い学校なので、外部受験生の間でも人気の高い学校だった。

 ちなみに女子は内部進学で系列の女子大に進むことができる。お嫁さんにしたい大学では、常にランキングの上位にいる大学なので、良家のお嬢様の間では人気が高かった。
 私もここの女子大を出ている。

 晴れて高1になった亮平は、ルックスは整ったまま身長178㎝に達していた。まだまだ伸び盛りといったところだろう。

 元々モテるのだが、告白されても部活に夢中で「興味ない」と全て断っていた。

 ところが、高校から入学した中でも飛び抜けて美人の佐伯香織が、亮平に告白してきたのだ。
 しかも、昼休みの廊下のど真ん中で。
 公開告白ってやつだ。
 よほどの自信がない限り、まずありえない行動だった。

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