【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
 それからすぐに亮平が帰ってきた。

 みんなお腹空いてるし、パーティーの始まりだ。
 
 1歳7ヶ月の光ちゃんは何度か来ているので、人見知りをすることもなく大人たちとたどたどしくも上手にお話し、ムードメーカーになってくれている。

 鉄平の高速ハイハイは健在で、なぜか大人たちの笑いを誘うみたいだ。
 まあ、顔が亮平に似過ぎてるからな。亮平が高速ハイハイしてるみたいで面白いんだろう。

 料理も好評で、食べ始める頃に丸鷄も綺麗に焼けてきた。
 そこからは亮平の役割り。手慣れたもので、全員に行き渡るように切り分けていく。

 食べ始めて1時間もする頃には、ほとんど食べ尽くされた状態だった。
 足りなかったかな⁇
 いや、まだケーキもあるしね。
 
 麗ちゃんはというと、雅ちゃんや李梨花ちゃんとすっかり打ち解けている。
 麗ちゃんは頭の回転が速いからか、会話のテンポも良い。良かった、馴染んでいて。
 
 このホームパーティーに来てもらうにあたって、私は麗ちゃんにこう言った。

「私は、いつもと違う場を提供するだけだよ。あとは麗ちゃん次第だから。
 ただ、1つだけ言うなら、飾らない素の麗ちゃんで来てね」

 そう。自分を作ってしまうと、疲れちゃうからね。
 それは廣澤くんに対してだけでなく、誰に対しても同じ。ホームパーティーに来る他のお友達は、みんな古くからの付き合い。裏表なく、好きな事言う。
 だから麗ちゃんにも遠慮しないで欲しいんだ。
 うん。うまくいってると思う。
 まだ廣澤くんとお話してるようには見えないけどね。
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