【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
 子供の数か……。
 正直なところ、一番話題にしたくない問題だ。

 今結衣子が引っかかってることは、俺の心にずっと巣食っている不安に直結している。

 それこそ、あの入院から、深い刺となって心の奥に刺さっている問題だ。

 はぁ……この話は避けては通れないだろう。

「この家は広いから、できればたくさん欲しいと思ってた。お前にそっくりな子とか、見てみたいし。
 …………でも、今はちょっと考えてる」

 結衣子は、気付いているはずだ。俺が子供をさらに持つことに積極的じゃない事を。

「……そうかなって思ってた。病院で麗ちゃんとお茶した時に、初めてあの時の亮平の様子を聞いて……その事がずっと引っかかってた」

 俺は夜の生活を再開した時から、絶対に欠かさず避妊している。まだ結衣子に次の生理は来ていない。だけど、気付かないうちに排卵は起こる。そう考えると、怖くて。
 
 とりあえず問題を先送りにしたいという考えもあった。次を考えるのはまだ早いし、と自分に言い聞かせて。
 
 でも新婚で子供が1人いて、まだ生理も来てないのにそこまで徹底して避妊するのは、やっぱり不自然だと思ったんだろう。

「……亮平…………………………怖い?」

 そうだよ。
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