【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「おはようございます、結衣子先生!」
「あ、乾先生おはようございます」

 中学部の乾先生、聖くんの同級生だ。

「今、あくびしてましたね。寝不足ですか?」
「やだ! 見てたんですか!
 ちょっと……昨日女子会でオールだったものですから。お恥ずかしい……」
「オールですか。学生の時以来ないですねー。この仕事してると朝が早いから、どうしても規則正しい朝型生活になりますよね」
「いや、反省してますよ。でもね、今回ばかりは……」

 あれ、先に言っちゃっていいのかな?
 乾先生、同級生でどっちも知ってるしな。
 ま、来週には籍入れるみたいだし、そんなに問題無さそうだけど。

「実は友達が婚約して、そのお祝い会だったんです。ちょっと盛り上がり過ぎて。……で、オールなんです」
「ひょっとして、聖と長谷川?」
「あ、バレちゃいました? そうなんですよ〜」
「あいつら、やっとか。長過ぎだろう。
 聖はグズグズだからなぁ。長谷川、よく我慢したよな。……あ、ごめん。言葉が昔に戻ってた」
「フフフ……お気になさらず。私、後輩なんですから。それにそのグズグズ、皆んな口を揃えて同じこと言ってます。雅ちゃんもね、散々言ってたんですけど、聖くん婚約指輪かなり奮発したんで、全部水に流したみたいですよ」
「へぇ〜、聖やるなぁ!」
「幸せいっぱいですよ〜」

 自分のことでもないのに、思わずにっこりしてしまう。
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