【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「羨ましいです。乾先生は? そういうご予定はないんですか?」
「いや、俺は今彼女もいないし……。
 あ、そうだ。結衣子先生、ウフィツィ美術館興味ない?」
「ウフィツィ美術館? フィレンツェの? ボッティチェリのヴィーナス誕生とか置いてるところですよね? ひょっとしてもうすぐ始まる国際美術館のですか?」
「さすがだね! やっぱり知ってたんだ。
 実は、招待券をもらったんだ。でも残念なことに一緒に行ってくれるような人がいなくて。よかったら、観――」
「おはようございます! 結衣子先生。あ、乾先生も、おはようございます」

 いつも元気な三隅先生が後ろから挨拶をしてきた。

「おはようございます! 三隅先生」
「チッ……おはようございます」

 ん? 今、舌打ちが聞こえたような……気のせいよね?

「いや、朝から暑さが堪え、ますね〜。
 あ、乾先生、明日は宜しくお願いしますね。こっち(小学部)は二次会メンバー6名です」

 そうだ。明日の納涼ビアガーデンは、全学部の職員が集まるんだった。
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