【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
俺様幼馴染の回顧録
 俺は今、人生最大のピンチを迎えている。
 あんなに大事に可愛がり、愛しんできた幼馴染の結衣子に、まさかのセフレ宣言をされてしまった……!
 いや、直接言われだわけじゃないけど。

 ありえねぇ……。
 結衣子は俺にとって唯一無二の存在だ。幼馴染で親友で、たった1人の女。
 彼女だと思っていたし、内緒だけど婚約者でもある。結衣子にとっても、全く同じ存在のはずだった。
 

 俺が結衣子を女として意識しだしたのは、そう早くはなく、確か中3の時だったと思う。

 俺達の母校聖堂館学園は、幼稚園から高校までの一貫教育校だ。関西では有数のカトリックミッションスクールで、建学の精神に則り情操教育のしっかりした学校だった。

 そのため、小学校の高学年から大抵のヤツがかかる思春期に男女がギクシャクするって病は、俺たちの間には存在しなかった。
 学校全体がそんな雰囲気で、男女ともに仲が良かった。

 しかし思春期特有の照れがなくとも、欲望はある。ぶっちゃけ、男子は頭の大部分が性欲に支配されていくお年頃だ。

 そんな中3の頃、まだコース分けがなく、俺と結衣子は同じクラスだった。

 あれは体育の授業が終わって、教室で着替え中の事だった。
 男子が集まって話をするといえば、それは大抵女子のうわさ話だ。
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