【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
 結衣子にキスをして、独占欲が抑えきれなくなった俺は、直談判に行ったんだ。「結衣子を俺にくれ!」と。

 おじさんは条件を出した。
 
「まずはどこの大学に進むか決めなさい。人の役に立つ人間になりなさい。そして何より大切なことは、結衣子の愛情と信頼を得ること。それが条件だ」

 枚岡のおじさんは、俺にとっては育ての親。言われたことは必ず守る。

「わかった。必ず条件は満たす。その時は結衣子と結婚させてもらう」
「あぁ。頑張りなさい。……あ、そうそう。大学に入学するまでは結衣子に手を出したらダメだよ。そこは守ってもらうから」
「えぇー! マジかよー……」
「当たり前だ。勉学に励め」
「……わかったよ」

 そうして俺は我慢に我慢を重ね、勉学に励み、ストレートで公立大学の医学部に入学した。
 まあ、たまに耐えかねて、結衣子の唇は楽しんだけどな。それくらいは許してもらおう。

 受験勉強しつつも周りへの牽制は緩めなかった。
 結衣子はとにかくモテる。ま、可愛いからな。仕方がない。けど俺のものだから、牽制はさせてもらう。結衣子に近づく男たちは片っ端から潰していった。

 結衣子は早くから養護教諭になりたいと言い出していた。
 なるほど。それはなかなか良い。企業のOLになんてなったら男どもが群がって大変だ。

 そう思った俺は、早速、前川のババアに直談判だ。

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