【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
 中村くんはやはり軽い熱中症との診断で、その後はアクエリを飲ませて顔を拭いてやり、涼しい保健室で少し休ませた。
 もちろん、亮平も静かにしていた。
 
 中村くんが最後の患者さんで、今日はおしまい。すっかりお待たせしたけど、やっと一緒に帰れる。
 帰り支度をしていると、聖くんが終礼を終えてやってきた。

「お前、保健室にまで押しかけてきて嫁に盛るとは何事だ! 慎め!」

 いつものようにお説教が始まった。

「だって結衣子の白衣姿、エロ過ぎるだろ⁉︎ あ、見るな!」
「……バカか。結衣子も大変だな。こんなエロ旦那持つと……」

 ハハハ……。苦笑いするしかない。

「聖くん麦茶でいい? 今入れるね」
「うん。ありがとう」
「亮平も待たせたね。アイスコーヒーにする?」
「俺も麦茶……。なぁ、みんなこんな感じなのか? ここ来るのって、聖だけか?」

 どういう意味だ?

「……さあな。少なくとも、校長と教頭は入り浸ってるぞ。あの人たちにとったら、結衣子は未だに可愛い教え子みたいだからな」
「フン! まぁあのジジイどもならいいけど」
「「……」」
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