【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「いや、俺が行く。行きたい。休み調整するからちょっと待って。一緒に行こう」

「良かった! ………………でね、安定期に入ったの」

 うん? 話が戻ったぞ?

「山口先生と話してて……」
「それさっきも聞いたぞ? 山口先生って、お子さん2人いるママさん先生だろ?」
「うん。そう。……あのね、その………男の人って、奥さんが妊娠中って、その、他の女の人のところに目が向きやすいって……そう言うの」

 は? なんだって?
 待て待て待て待て!
 俺の浮気を疑っているのか?

「……結衣子、それマジで言ってる? 俺の浮気、疑ってんの?」
「あ、ううん! 違うよっ! そんなの疑ってないない! ……だって、亮平、他の人ムリでしょう? …………潔癖症だし」

 いや、それも違うだろ。

「前にも言ったと思うけど、潔癖だからムリなんじゃなくて、結衣子じゃないと俺はムリなの。他はいらないんだよ!」
「う、うん。うん。わかってる……」

 いや、それ、わかってるか? 俺こんなに結衣子のこと考えてるのに……。
 思わずため息が出たらしい。

「亮平……ごめん。疑ったりしてないの。本当よ?」

 あ、ちょっと涙目になってる。可愛い……。
 いやいや、胎教に悪いぞ。不安な感情は。
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