離婚したはずが、辣腕御曹司は揺るぎない愛でもう一度娶る
私はそういいながら、玲司の姿を追った。彼はいま中野社長とたくさんの人に囲まれている。
本当に素敵だな、私の旦那様。
しかしそうずっと見とれているわけにはいかなかった。取引先へのあいさつ回りや、ホテル側とのやりとりにてんやわんやになりながらその日の会を終えた。
「お疲さま~」
今日は現地解散で、このままみんな帰宅する。私も心地よい疲れを感じながら今日の仕事を終えた。
「駅まで一緒に行くか?」
君塚に言われて首を振った。
「待ち合わせしてるから、先に帰って」
「あぁ、旦那とデートやな。楽しんで」
君塚が手を振り帰っていく姿を見て、私は先ほど玲司から贈られてきたメッセージを確認する。
「部屋番号は……と、あった」
メッセージの内容は、ホテルの部屋で待っているから仕事が終わったら来てというものだった。
私は言われた通りに客室に向かいドアベルを押す。するとすぐに中から扉が開いて玲司が顔を出した。
「お疲れさま」
両手を広げた彼の腕の中に飛び込んだ。
「玲司こそ、本当にお疲れさま」
「頑張った俺に、ご褒美は?」
自分のほうを指さす彼に抱きつくと、リクエスト通りにキスをプレゼントする。
「ねぇ、社長を退くこと、どうしえ教えてくれなかったの?」
「もちろん、琴葉たちを驚かせたかったから」
「そんな理由で?」
呆れる私の顔を見て彼はクスクス笑った。
「ほかにもいろいろと理由はあるけど、でも驚いただろ?」
「うん、驚いたし、うれしかった。みんなも喜んでいたし」
彼にくっついて、入口から部屋の中に移動した。
「わぁ、広いし素敵」
高級そうなソファとテーブル。奥にはダイニングテーブルもあるのが見える。少し灯りが絞られていて、ラグジュアリーな雰囲気に心が躍った。
「おいで」
キョロキョロと周囲を見回していた私を、玲司が呼び寄せた。ソファに座り自分の隣に座るように促す彼に素直に従う。
「ねぇ、スパッと中野社長に交代したけど、ライエッセには未練ないの?」
少し気になって聞いてみた。だって彼が社長に就任したあと、寝る間もないほど忙しい中でも片手間にせずに、本当に一生懸命ライエッセのために仕事をしてきた姿を見たから。
「もちろん未練はあるさ。もう琴葉と一緒に働けない。真剣な顔の琴葉大好きなのに」
「もう、ふざけてるの?」
本当に素敵だな、私の旦那様。
しかしそうずっと見とれているわけにはいかなかった。取引先へのあいさつ回りや、ホテル側とのやりとりにてんやわんやになりながらその日の会を終えた。
「お疲さま~」
今日は現地解散で、このままみんな帰宅する。私も心地よい疲れを感じながら今日の仕事を終えた。
「駅まで一緒に行くか?」
君塚に言われて首を振った。
「待ち合わせしてるから、先に帰って」
「あぁ、旦那とデートやな。楽しんで」
君塚が手を振り帰っていく姿を見て、私は先ほど玲司から贈られてきたメッセージを確認する。
「部屋番号は……と、あった」
メッセージの内容は、ホテルの部屋で待っているから仕事が終わったら来てというものだった。
私は言われた通りに客室に向かいドアベルを押す。するとすぐに中から扉が開いて玲司が顔を出した。
「お疲れさま」
両手を広げた彼の腕の中に飛び込んだ。
「玲司こそ、本当にお疲れさま」
「頑張った俺に、ご褒美は?」
自分のほうを指さす彼に抱きつくと、リクエスト通りにキスをプレゼントする。
「ねぇ、社長を退くこと、どうしえ教えてくれなかったの?」
「もちろん、琴葉たちを驚かせたかったから」
「そんな理由で?」
呆れる私の顔を見て彼はクスクス笑った。
「ほかにもいろいろと理由はあるけど、でも驚いただろ?」
「うん、驚いたし、うれしかった。みんなも喜んでいたし」
彼にくっついて、入口から部屋の中に移動した。
「わぁ、広いし素敵」
高級そうなソファとテーブル。奥にはダイニングテーブルもあるのが見える。少し灯りが絞られていて、ラグジュアリーな雰囲気に心が躍った。
「おいで」
キョロキョロと周囲を見回していた私を、玲司が呼び寄せた。ソファに座り自分の隣に座るように促す彼に素直に従う。
「ねぇ、スパッと中野社長に交代したけど、ライエッセには未練ないの?」
少し気になって聞いてみた。だって彼が社長に就任したあと、寝る間もないほど忙しい中でも片手間にせずに、本当に一生懸命ライエッセのために仕事をしてきた姿を見たから。
「もちろん未練はあるさ。もう琴葉と一緒に働けない。真剣な顔の琴葉大好きなのに」
「もう、ふざけてるの?」