一番星になった君へ
【明愛side】
目が覚めると亜留の顔が私を覗き込んでいた。
「きゃあ!」
亜留の顔が近くにあったからすごいびっくりした。
「やっと起きた、おはよ」
私の驚き方が面白く感じたのかケラケラ笑う亜留。
「なんであんなに顔近いのよっ!」
顔が赤く染ってることは自分でもわかる。
そりゃそうだよ、亜留は小さい頃と比べて凄いかっこよくなってるんだから。
「お前、顔赤すぎるだろ。そんなに俺のこと好きなのか?」
ムカつくっ!!やっぱり嫌い!!
こういうところも小さい頃と変わってないんだからっ!!
「本当に何言ってんの!そんなわけないじゃん!」
本当は嬉しいくせに強がる自分も嫌い。
「冗談だって」
そう言ってまたケラケラ笑いだす亜留を睨む。
「めい移動教室だよ、行こ!」
私と亜留が話してるところに潤羽が来る。
「あ、ごめんごめん、行こっか!」
「ちょっと待てよ、俺どこに行けばいいか分からないんだけど?」
準備をして教室をでようとすると後ろから亜留に肩を掴まれた。
「あー、そっか、じゃあ私についてきてよ」
「めいも大変だね〜、転校生のお世話なんて」
「本当だよー!ほら、早く!」
「へーい」
亜留を連れて行ってからは、忙しかった。
隣で寝てる亜留を起こせだの、亜留が私に話しかけてくるせいで授業中に怒られたりもした。
「はぁー…」
机に突っ伏して大きくため息を吐くと前の席に潤羽が座った。
「めいー?大丈夫ー?」
「平気平気ー…」
「俺だけでバテるとかお前どんだけ体力ねぇんだよ」
頭を上げて隣でケラケラ笑う亜留の方を見ると、亜留の周りには数人の女子。
「亜留くん、なんであんな女と話すのよー」
「そうよー?私たちと話してるんだからさー」
もう亜留のファンクラブが出来たのか…。
まぁ、そりゃそうだよね、亜留はかっこいいしスポーツ万能、オマケに優しい。
モテないわけが無い。
正直私も小さい頃からの私の初恋の相手で、ずっと好きだし…。
もう私ってなんでこんなやつに恋しちゃったんだろ。
私にだけ優しくして欲しい、私をずっと見てて欲しい…なんて言ったらきっと重い女だって思われて嫌われちゃいそう。
「お前ら俺と話してるとか言ってるけど、一方的に話してるのはそっちだろ?俺は一言も話してない。」
鋭く睨みつける亜留は今まで見た事なかったからゾッとした。
「なによっ!意味わかんない!行こ!」
亜留に鋭く睨まれた女子たちは教室を出ていった。
そんな亜留たちをポカーンとみてるとこっちを見た亜留がニカッと笑った。
亜留のこの笑顔が小さい頃から私を虜にしていた。
恥ずかしくなって私は潤羽を見ると、潤羽はニヤニヤしながら私と亜留を交互に見ている。
「違う、からっ!」
「もうめい耳まで真っ赤じゃん。それに私なんも言ってないんだけどなー?」
潤羽が言うのを見ていた亜留は再びケラケラと笑い出す。
もうっ!二人して私をバカにして!
「あ、明愛、今日お前の家行ってもいい?」
「え?別にいいけど、なにかしたいことあるの?」
「いや別になんも無いけど、久しぶりに?」
「え?え?え?もう二人ってそこまで行ってるの??」
私と亜留の会話を聞いていた潤羽が困惑したように聞く。
「なんもないよ!」
「またムキになっちゃって〜、このこのー!」
潤羽はそう言いながら私を突く。
突く力強いからちょっと痛いけど、そんな顔は出さずに作り笑い。
「じゃ、てことで放課後一緒に行こうぜ」
え?え?え?一緒にって言った?二人で?
亜留は私に手を振って教室を出た。
「キャー!亜留くーん!!」
「今日帰り一緒に帰らないっ?」
亜留が教室を出るなり廊下で待ち構えてた女子たちのアピールが始まった。
けど、それをかき分けるようにして進んで行った。
「本当に無愛想だなぁ…。」
「そう?私たちには別じゃない?」
「そうなんだけどさー、男って何考えてるのか分からないんだよねー」
「本当にね」
亜留がいなくなった途端に廊下にいた女子たちがずらかると一気に静かになった。
亜留の影響って凄いんだなと改めて思った。
放課後になって靴箱で待っていると、後ろから背中を叩かれた。
「わっ…!」
叩かれた衝撃で地面に激突しそうになって目を思いっきりつむる。
「おっと…あっぶね、お前そそっかしいな」
頭上から聞こえた聞き覚えのある私の大好きな声。
「亜留っ!」
「スマホばっかいじってるからだぞ」
コツっと頭をデコピンで弾かれる。
「いったぁい!亜留は本当に容赦ないよねぇ!」
私が亜留の背中をバンと叩くと「いってぇ」っていって笑う。
そんな亜留を見てたら私って子供だなと思う。
「でもまさかこの学校にお前がいるのは意外だな」
背中を叩く強さとは違って、私の頭に手をぽんっと乗せる。
亜留はずるい。
女の子に普通にこんな事するんだもん。
照れないわけがない。
こういうこと他の女の子にもしてるのかな…?
私だけに優しくして欲しいという自分の欲望が大きくなる。
亜留の前の学校で好きな人とか彼女とかできなかったのかな。
考えるのは毎回亜留のこと。
「おい、明愛聞いてたか?」
下を見ながら歩いてたらまた亜留が覗き込む。
ドキッ…。
「あ、ごめん、何だった?」
「だーかーら、ガキだったときに行った展望台行こうぜ」
ガキって…すっかり口悪くなっちゃったな。
「いいねっ、行こ!」
私はそう思いながらも笑顔を作った。
「ねぇ、亜留ー!疲れたんだけどー!」
展望台に着いて階段を半分まで来たところで私はバテた。
「なんだよお前、体力ねぇな」
亜留は私より遥かに体力があり、私がバテたとこでぎりぎり見えるくらいにいた。
「亜留が早すぎるのー!」
私が言うと亜留は「仕方ねぇな」って言って私のところに軽い足取りで来てくれた。
すると私をヒョイッと持ち上げてお姫様抱っこ。
「ちょ、ちょっとっ⁉」
持ち上げられる前から高かったのに持ち上げられたら余計高くなったからちょっと怖い。
なにより、初恋の相手にお姫様抱っこされてるとなると緊張で震える。
「なに、怖いの?」
震えてる私を見てニヤニヤする亜留。
「怖いわけじゃなくて…!」
たぶん今の私は顔が赤いと思う。
「はいはい、言い訳はダメですよ〜、お姫様」
お姫様とか追い打ちかけられたらもっと恥ずかしくなっちゃうじゃない…!
亜留の首に腕を回してるから顔が近い。
私のことを担いでるはずなのに軽い足取りでどんどん頂上に近づく。
亜留はすごいなぁ…。
「も、もういいよ亜留」
「何いってんだよ、おろしたとこでお前絶対すぐバテるだろ」
「いや、でも…」
「てかもう着いたし」
亜留にそう言われて周りを見渡すと頂上に着いていた。
いつの間にっ⁉
そんなことを思っていると視線を感じてキョロキョロすると頂上にいた数人の女子学生にすごく見られている。
「あ、亜留!もう下ろしていいよ!」
「ああ、そうだな」
恥ずかしーっ‼‼
下ろしてもらった瞬間手で顔を覆うと女子学生はくすくす笑う。
「ここも懐かしいな」
隣りにいたはずの亜留は、海方の手すりに寄りかかりながら言う。
「そうだね」
私も亜留の隣に行くと夕暮れでキラキラとオレンジ色に光る海が視界に飛び込む。
「きれいだね」
「……」
「亜留?」
亜留に話しかけたはずなのに返事が帰ってこないからあるの方を向くと海じゃなく私を見る亜留。
ドクンッ―
いつもケラケラ笑ってる亜留とは違う真剣で、真っ直ぐに私を見る亜留の目。
「あ…る?」
「あ、のさ…俺がもしもお前を好きって言ったらどうする?」
「え…?」
「俺、明愛が好きだ。小さい頃からずっと。付き合ってほしい。」
今なんて言った…?
聞き間違いじゃなければ確かに"好き"って聞こえたんだけど…。
いや、ちょっとまって、亜留が私の事、好き…?
私の頭の中は困惑していた。
「も、もう何言ってるの〜!急に冗談やめてよ〜」
私は笑いながらそう言うけど、亜留はおふざけなんかひとつもないような真剣な表情。
私は亜留の顔なら全て見たと思ってたけど、この顔は私の知らない顔。
本当に真剣なんだ…。
「…考えさせてください」
私の口から出たのは絞り出したように小さい声。
でも、亜留はそんな小さな声でも聞こえていたみたいで、眉を八の字にして私を見つめる。
「まぁ…そう、だよな。でも俺の気持ちはずっと変わらないから、さ…」
亜留の声は震えていて、今にも泣きそうな声。
「うん…」
私はその一言しか言えなかった。
目が覚めると亜留の顔が私を覗き込んでいた。
「きゃあ!」
亜留の顔が近くにあったからすごいびっくりした。
「やっと起きた、おはよ」
私の驚き方が面白く感じたのかケラケラ笑う亜留。
「なんであんなに顔近いのよっ!」
顔が赤く染ってることは自分でもわかる。
そりゃそうだよ、亜留は小さい頃と比べて凄いかっこよくなってるんだから。
「お前、顔赤すぎるだろ。そんなに俺のこと好きなのか?」
ムカつくっ!!やっぱり嫌い!!
こういうところも小さい頃と変わってないんだからっ!!
「本当に何言ってんの!そんなわけないじゃん!」
本当は嬉しいくせに強がる自分も嫌い。
「冗談だって」
そう言ってまたケラケラ笑いだす亜留を睨む。
「めい移動教室だよ、行こ!」
私と亜留が話してるところに潤羽が来る。
「あ、ごめんごめん、行こっか!」
「ちょっと待てよ、俺どこに行けばいいか分からないんだけど?」
準備をして教室をでようとすると後ろから亜留に肩を掴まれた。
「あー、そっか、じゃあ私についてきてよ」
「めいも大変だね〜、転校生のお世話なんて」
「本当だよー!ほら、早く!」
「へーい」
亜留を連れて行ってからは、忙しかった。
隣で寝てる亜留を起こせだの、亜留が私に話しかけてくるせいで授業中に怒られたりもした。
「はぁー…」
机に突っ伏して大きくため息を吐くと前の席に潤羽が座った。
「めいー?大丈夫ー?」
「平気平気ー…」
「俺だけでバテるとかお前どんだけ体力ねぇんだよ」
頭を上げて隣でケラケラ笑う亜留の方を見ると、亜留の周りには数人の女子。
「亜留くん、なんであんな女と話すのよー」
「そうよー?私たちと話してるんだからさー」
もう亜留のファンクラブが出来たのか…。
まぁ、そりゃそうだよね、亜留はかっこいいしスポーツ万能、オマケに優しい。
モテないわけが無い。
正直私も小さい頃からの私の初恋の相手で、ずっと好きだし…。
もう私ってなんでこんなやつに恋しちゃったんだろ。
私にだけ優しくして欲しい、私をずっと見てて欲しい…なんて言ったらきっと重い女だって思われて嫌われちゃいそう。
「お前ら俺と話してるとか言ってるけど、一方的に話してるのはそっちだろ?俺は一言も話してない。」
鋭く睨みつける亜留は今まで見た事なかったからゾッとした。
「なによっ!意味わかんない!行こ!」
亜留に鋭く睨まれた女子たちは教室を出ていった。
そんな亜留たちをポカーンとみてるとこっちを見た亜留がニカッと笑った。
亜留のこの笑顔が小さい頃から私を虜にしていた。
恥ずかしくなって私は潤羽を見ると、潤羽はニヤニヤしながら私と亜留を交互に見ている。
「違う、からっ!」
「もうめい耳まで真っ赤じゃん。それに私なんも言ってないんだけどなー?」
潤羽が言うのを見ていた亜留は再びケラケラと笑い出す。
もうっ!二人して私をバカにして!
「あ、明愛、今日お前の家行ってもいい?」
「え?別にいいけど、なにかしたいことあるの?」
「いや別になんも無いけど、久しぶりに?」
「え?え?え?もう二人ってそこまで行ってるの??」
私と亜留の会話を聞いていた潤羽が困惑したように聞く。
「なんもないよ!」
「またムキになっちゃって〜、このこのー!」
潤羽はそう言いながら私を突く。
突く力強いからちょっと痛いけど、そんな顔は出さずに作り笑い。
「じゃ、てことで放課後一緒に行こうぜ」
え?え?え?一緒にって言った?二人で?
亜留は私に手を振って教室を出た。
「キャー!亜留くーん!!」
「今日帰り一緒に帰らないっ?」
亜留が教室を出るなり廊下で待ち構えてた女子たちのアピールが始まった。
けど、それをかき分けるようにして進んで行った。
「本当に無愛想だなぁ…。」
「そう?私たちには別じゃない?」
「そうなんだけどさー、男って何考えてるのか分からないんだよねー」
「本当にね」
亜留がいなくなった途端に廊下にいた女子たちがずらかると一気に静かになった。
亜留の影響って凄いんだなと改めて思った。
放課後になって靴箱で待っていると、後ろから背中を叩かれた。
「わっ…!」
叩かれた衝撃で地面に激突しそうになって目を思いっきりつむる。
「おっと…あっぶね、お前そそっかしいな」
頭上から聞こえた聞き覚えのある私の大好きな声。
「亜留っ!」
「スマホばっかいじってるからだぞ」
コツっと頭をデコピンで弾かれる。
「いったぁい!亜留は本当に容赦ないよねぇ!」
私が亜留の背中をバンと叩くと「いってぇ」っていって笑う。
そんな亜留を見てたら私って子供だなと思う。
「でもまさかこの学校にお前がいるのは意外だな」
背中を叩く強さとは違って、私の頭に手をぽんっと乗せる。
亜留はずるい。
女の子に普通にこんな事するんだもん。
照れないわけがない。
こういうこと他の女の子にもしてるのかな…?
私だけに優しくして欲しいという自分の欲望が大きくなる。
亜留の前の学校で好きな人とか彼女とかできなかったのかな。
考えるのは毎回亜留のこと。
「おい、明愛聞いてたか?」
下を見ながら歩いてたらまた亜留が覗き込む。
ドキッ…。
「あ、ごめん、何だった?」
「だーかーら、ガキだったときに行った展望台行こうぜ」
ガキって…すっかり口悪くなっちゃったな。
「いいねっ、行こ!」
私はそう思いながらも笑顔を作った。
「ねぇ、亜留ー!疲れたんだけどー!」
展望台に着いて階段を半分まで来たところで私はバテた。
「なんだよお前、体力ねぇな」
亜留は私より遥かに体力があり、私がバテたとこでぎりぎり見えるくらいにいた。
「亜留が早すぎるのー!」
私が言うと亜留は「仕方ねぇな」って言って私のところに軽い足取りで来てくれた。
すると私をヒョイッと持ち上げてお姫様抱っこ。
「ちょ、ちょっとっ⁉」
持ち上げられる前から高かったのに持ち上げられたら余計高くなったからちょっと怖い。
なにより、初恋の相手にお姫様抱っこされてるとなると緊張で震える。
「なに、怖いの?」
震えてる私を見てニヤニヤする亜留。
「怖いわけじゃなくて…!」
たぶん今の私は顔が赤いと思う。
「はいはい、言い訳はダメですよ〜、お姫様」
お姫様とか追い打ちかけられたらもっと恥ずかしくなっちゃうじゃない…!
亜留の首に腕を回してるから顔が近い。
私のことを担いでるはずなのに軽い足取りでどんどん頂上に近づく。
亜留はすごいなぁ…。
「も、もういいよ亜留」
「何いってんだよ、おろしたとこでお前絶対すぐバテるだろ」
「いや、でも…」
「てかもう着いたし」
亜留にそう言われて周りを見渡すと頂上に着いていた。
いつの間にっ⁉
そんなことを思っていると視線を感じてキョロキョロすると頂上にいた数人の女子学生にすごく見られている。
「あ、亜留!もう下ろしていいよ!」
「ああ、そうだな」
恥ずかしーっ‼‼
下ろしてもらった瞬間手で顔を覆うと女子学生はくすくす笑う。
「ここも懐かしいな」
隣りにいたはずの亜留は、海方の手すりに寄りかかりながら言う。
「そうだね」
私も亜留の隣に行くと夕暮れでキラキラとオレンジ色に光る海が視界に飛び込む。
「きれいだね」
「……」
「亜留?」
亜留に話しかけたはずなのに返事が帰ってこないからあるの方を向くと海じゃなく私を見る亜留。
ドクンッ―
いつもケラケラ笑ってる亜留とは違う真剣で、真っ直ぐに私を見る亜留の目。
「あ…る?」
「あ、のさ…俺がもしもお前を好きって言ったらどうする?」
「え…?」
「俺、明愛が好きだ。小さい頃からずっと。付き合ってほしい。」
今なんて言った…?
聞き間違いじゃなければ確かに"好き"って聞こえたんだけど…。
いや、ちょっとまって、亜留が私の事、好き…?
私の頭の中は困惑していた。
「も、もう何言ってるの〜!急に冗談やめてよ〜」
私は笑いながらそう言うけど、亜留はおふざけなんかひとつもないような真剣な表情。
私は亜留の顔なら全て見たと思ってたけど、この顔は私の知らない顔。
本当に真剣なんだ…。
「…考えさせてください」
私の口から出たのは絞り出したように小さい声。
でも、亜留はそんな小さな声でも聞こえていたみたいで、眉を八の字にして私を見つめる。
「まぁ…そう、だよな。でも俺の気持ちはずっと変わらないから、さ…」
亜留の声は震えていて、今にも泣きそうな声。
「うん…」
私はその一言しか言えなかった。