クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
「次は俺の番だな」




尋が大きく息を吸い込んで一歩前へ出る。

手のひらにひどく汗をかいているようで、ジャージで何度も拭っている。




「準備はいい?」




クマに聞かれて尋はダーツの矢を手に取った。

そして祈るように矢の先を指先で撫でる。




「頼む。いいところに飛んでくれ」




小さく呟いて投げた矢はトンッと小気味いい音を響かせて40点の輪の中に刺さった。




「よしっ!」




尋が勢いよくガッツポーズを作る。

最初から高得点だ。

私は唾を飲み込んで様子を見守る。
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