クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
切断しなきゃいけない血管はまだあるのに、これじゃ見えない。




「わかった」




智道はすぐに頷いてこちら側へ来た。

棚からガーゼを取り出して、ピンセットで傷口の中へねじ込む。

真っ白なガーゼはすぐに血に染まり、新しいものに取り替えられる。

何度か同じ作業を繰り返すとどうにか心臓が見えてきた。

これからどうにかなりそうだ。

私は再びメスを握りしめて傷口に手を差し入れる。

血管を切るための力加減もなんとなくわかってきた。

しかし、すべての血管を切り終えるまで40分以上は経過していた。

丁寧に心臓を取り出して保冷バッグの中に入れると、全身から汗が吹き出してきた。

ジャージの下はびっしょりとシャワーを浴びたような状態になっている。




「できた……」

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