クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
隣に並んで経つ香菜が小声で教えてくれる。

ここでは男がなにかを教えてくれるようなことはないようで、女の子たちは互いに支え合っているんだろう。

やがて点呼が始まった。

101号室の1番から順番に、1011、1012と数字を言っていく。

一部屋4人と決まっているようで、男はゆっくりと歩きながら確認していく。




「1053」




隣の香菜が言う。




「1054」




私は間髪入れずに自分の番号を口にする。

その日の並び順によって自分の番号が変わるみたいだけれど、男は特に気にしていない様子だ。

きっと、これだけの人数の顔だって覚えていないんだろう。

それから男に連れてこられたのは食堂だった。

大きな部屋に白い長テーブルと椅子が置かれている。
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