クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
「なにするんだ!?」




じたばたを抵抗を見せるクマの顔を両手をかけて、着ぐるみの顔を外す。

そこから出てきたのは30代前半と見えるまだ若い男だった。

見覚えはない。




「やめろ! なんで電流がきかないんだ!?」




智道が馬乗りになっているクマも、同じ位の年齢の男性であることがわかった。

智道はポケットから隠し持っていたメスを取り出すと、男の首筋に押し当てた。




「着ぐるみを脱げ。ふたりともだ」




低い声は周囲の気温を1度下げるのに充分だった。

智道が本気だということは、首筋から流れ出た一筋の血でよく理解できた。

2体のクマは蒼白になりながらすぐに着ぐるみを脱いでいく。




「出口はどこにある?」




メスを突きつけながら質問すると、クマの一体が施設を指差した。

やっぱり、出口は施設内にしかないみたいだ。

もう1度施設に侵入することは想定内だったし、やるしかない。

私は大きく頷いて見せた。




「出口のカギは? 暗証番号か?」



「あ、あぁ、そうだ」
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