クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
「とにかくここから出ようよ。体が痛くて仕方ないの」




繭乃が不快そうな表情で立ち上がる。

その瞬間体がぐらついて、隣にいた智道が体を支えた。




「もしかしたら薬物で眠らされていたのかもしれないな」




繭乃のふらつきを見て智道が呟く。

薬物で眠らされて、ここに連れて来られた……?

それならどこかで犯人が見張っているかもしれない。

コーヒーカップから出る前に慎重に周囲を確認してみるけれど、それらしい人影は見られない。

そもそも監禁するとすればもっと自由のきかない、逃げられないような場所を選ぶはずだ。




「どうした?」




ひとりで考え込んでいると尋に声をかけられた。

3人はすでにコーヒーカップから出ている。

私は慌てて3人の後を追いかけたのだった。
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