クレジット人間-遊園地から脱出せよ!-
『更に面白いのが、君たちがなにを欲しがるかの集計を取っていることだよ!』




園内でクレジット人間を利用した買い物などの情報が、そのまま売買されているということだ。




『園内で購入の多かった商品は外の世界でもきっと売れる。そのための試験って感じかな!』




ただお金を支払って購入するのではない。

ゲームで負けた仲間に労働させて手に入れるのだ。

そこまでして手に入れたい商品なら、きっと売れると判断したのだろう。




『そうそう! ひとついいことを教えておいてあげるよ!』




クマが今思い出したという様子で話を進める。




『ここでうまく高額商品を手に入れた子たちは、外に出られたときに大手企業からのスカウトがあるかもしれないよ!』




大手企業からのスカウト。

ということは、誰でも知っているような企業がこの園に加担しているということだ。

だから、こんなに大掛かりな誘拐、監禁ができるんだ。

私はキツク下唇を噛み締めた。

これじゃ脱出することは不可能かも知れない。

クマが言っていたようにお金を手に入れるしかないのかもしれない。
< 66 / 273 >

この作品をシェア

pagetop