毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
それから先は、人間関係や生活面、色々なことを侍女や両親に教えてもらった。

社交界でも困らないように、現在の貴族の顔や名前だけでなく貴族間の情勢も覚えた。



この身体の持ち主、リーネット・アステリアはロタリスタ国の公爵家であった。

しかし、私の記憶にそんな公爵家は存在しない。

私の記憶ではアステリア家は侯爵家であった。



そう、今はリーネ・フローリアが亡くなってから10年が経過していた。



そしてリーネット・アステリアは現在16歳で、私も通っていた貴族御用達の学園の一年生である。

しかし勉学や礼儀作法は大きく変わっておらず、私はすぐにリーネット・アステリアの生活に慣れていった。

ただ一つ、問題が。


「リーネットお嬢様、元気になられて良かったわ」

「それに家庭教師によれば、飲み込みも異様に早く、学園に戻れば首席を取れるレベルだそうよ」


そう、リーネットは頭の良い少女ではなかった。

記憶喪失で多少人格が変わっても、通常ありえない変化に両親は驚いていた。

しかし、娘が褒められることに嬉しさもあるようであった。
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