毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
今のロタリスタ国の貴族事情を学ぶと、フローリア公爵家は伯爵家に降格していた。

そして、その穴を埋めるようにアステリア家が公爵家に昇格したのだ。


「まぁ、その理由はだいたい分かるけれど・・・」


フローリア公爵家の当主、つまり私の父だった人物は当主としての仕事も父としての役割も果たすような人間ではなかった。

なので、代わりに私がフローリア公爵家の仕事も手伝っていた。

私がいなくなり、好き放題した父が何かやらかし、伯爵家に降格しても納得がいく。

それにリリもお母様も権力などに執着しない人で、公爵家という身分を手放しても落ち込まなかっただろう。


「お母様とリリは幸せにしているかしら・・・」


リーネット・アステリアになった後も、ずっとそれだけが心配だった。

二人を残して亡くなった自分が嫌になる。
< 20 / 72 >

この作品をシェア

pagetop