毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
二人には幸せでいてほしい。

ずっとそれだけを願っていた。

優しいリリに、愛情深いお母様。

もう、私がリーネとして彼女たちに会うことは出来ない。

しかし、リーネット・アステリアとしてなら会えるだろう。


私は一度死んだのだ。


自分がリーネ・フローリアだと明かすつもりはない。

ただ二人の顔がもう一度見たかった。

私はその日すぐにフローリア伯爵家に手紙を送るよう侍女に命じた。
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