毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
私は昔からネックレスが好きだったが、ネックレスが前屈みになるときに邪魔になるのを嫌っていた。


だからネックレスをつける時は首の横で、襟に二本のピンで止めていた。


この癖、いや、このネックレスの止め方を指示したのは、他でもない【レータ・カルデ】だ。

研究者であるレータ・カルデは、研究をする時に気の散るような装飾品を嫌っていた。

そして、私のこの癖を知っているのは【親しかった者だけ】。

つまりアルト・レクシア様がこの癖で私に気づいたのなら、彼は【レータ・カルデ】か【本当に私と親しかった人物】、どちらかだ。



「リリ、お母様。私の話を聞いて下さいますか?」



私はそう述べると、今までの状況を洗いざらい話した。
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