毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
私は呼吸を整え、私の首に触れているアルト様の手に自分の手を重ねる。
「アルト様、私は貴方の秘密を知らない。・・・しかし貴方が私を愛しているというのなら、私を頼って下さい」
「貴方の秘密、私も共に抱えてあげますわ!」
その瞬間、アルト様が私を抱きしめる。
「アルト様!?」
「うるさい」
「うるさいとは何ですの!?急に抱きしめたのはそちらでしょう!」
「だから、うるさいと言っている。・・・今は、ただ静かに抱きしめられていればいい」
そう仰ったアルト様は、さらに私を強く抱きしめた。
その日、私はもうアルト様の謎を追求することは出来なかった。