毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
「いいえ。ただ、一つだけ・・・もし彼女を妻に迎えたいのなら、他の貴族子息より彼女を夢中にさせて下さい」
「は・・・?」
「今はレーヴィン殿下だけが彼女に魅了されているように見えますわ。しかし、それでは上手くいかない。もっと、レーヴィン殿下が自分を磨いて彼女からの愛を手に入れて下さいませ」
「そうすれば、フローラを妻に迎えられると?」
「そんなの知りませんわ!」
「っ!?」
「それは、レーヴィン殿下と彼女の努力次第。ただ私から言えることは、今のロタリスタ国の王、つまり貴方のお父様は「賢王」です。努力も知識も強《したたか》かさも足りない人間を王族と認めないでしょう」
「リーネット嬢は父上に会ったことがないはずだが・・・?」
私は小さく微笑んで、その場を離れる。
リーネ・フローリアであった時に、謁見した王はまさに賢王であった。
そして、要らない者を切り捨てる判断力を持った人物だった。
レーヴィン殿下と離れ、廊下を歩く私は暫くして足を止めた。
「アルト様、そろそろ出て来て下さいませんか?」
「何だ。気づいていたのか」
アルト様がそっと私の前に歩いてくる。
「は・・・?」
「今はレーヴィン殿下だけが彼女に魅了されているように見えますわ。しかし、それでは上手くいかない。もっと、レーヴィン殿下が自分を磨いて彼女からの愛を手に入れて下さいませ」
「そうすれば、フローラを妻に迎えられると?」
「そんなの知りませんわ!」
「っ!?」
「それは、レーヴィン殿下と彼女の努力次第。ただ私から言えることは、今のロタリスタ国の王、つまり貴方のお父様は「賢王」です。努力も知識も強《したたか》かさも足りない人間を王族と認めないでしょう」
「リーネット嬢は父上に会ったことがないはずだが・・・?」
私は小さく微笑んで、その場を離れる。
リーネ・フローリアであった時に、謁見した王はまさに賢王であった。
そして、要らない者を切り捨てる判断力を持った人物だった。
レーヴィン殿下と離れ、廊下を歩く私は暫くして足を止めた。
「アルト様、そろそろ出て来て下さいませんか?」
「何だ。気づいていたのか」
アルト様がそっと私の前に歩いてくる。