毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される

「その赤い顔、あの馬鹿王子には見せないことだ」


アルト様が美しい微笑みを私に向ける。

そして、ふと真面目な顔に戻る。



「・・・ねぇ、リーネ。君は、もう一度俺が君を殺すとは思わないのか?」



アルト様が私の頬に触れようとする。



「アルト様、貴方は不器用な人ですね」



「・・・どういう意味だ?」



「先ほどレーヴィン殿下と私の会話を隠れて聞いていたのは、もしレーヴィン殿下が逆上して私に危害を加えようとしたら助けるため」

「そして今も、本当に私を殺したい人間がわざわざ忠告などしませんわ」

「アルト様。貴方は不器用な人です。・・・そして、優しい人ですわ」



私は、アルト様が私の頬に触れようとしていた手を振り払う。

そして、逆に私がアルト様の頬に手を当てる。
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