毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
アルト様の実家であるレクシア公爵家に向かう馬車をアルト様が手配して下さった。

しばらく馬車に揺られ、先ほど私たちは国境を超えて隣国であるヴィスタ国へ入国した。

「あと数時間でアルト様の実家であるレクシア公爵家の屋敷に到着しますけど、アルト様は久しぶりの帰省なのですか?」

「いや、学園の長期休暇は実家に帰るようにしている。母が会いたいとうるさくてな」

「・・・・・・」

「何だ?」

「ふふっ、いやご家族と仲がよろしいのですね。何だか、私まで嬉しくなってしまいますわ」

私が嬉しくて笑ってしまうのを、アルト様がじっと見つめている。
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