毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
「何でも一人で出来る子なの。嬉しい反面、あまり頼ってくれた記憶もないの」
「でもね、リーネット様には気を許していると感じるわ。・・・だからどうしてもお礼を言いたかったの」
「私が頼りないのも、悪いのだけれど・・・」
エリス様が悲しそうに微笑む。
「それにあの子は・・・」
「母上!!」
部屋に戻ったアルト様が、大声でエリス様の言葉を遮《さえぎ》った。
そして、何かを誤魔化すように微笑んだ。
「その話は、恥ずかしいのでその辺にしてくれませんか。・・・ほら、それよりもプレゼントのイヤリングをリーネに渡すんでしょう?」
エリス様は少し戸惑いながらも、私の前にプレゼントを置いて下さる。