毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される

「何でも一人で出来る子なの。嬉しい反面、あまり頼ってくれた記憶もないの」

「でもね、リーネット様には気を許していると感じるわ。・・・だからどうしてもお礼を言いたかったの」

「私が頼りないのも、悪いのだけれど・・・」



エリス様が悲しそうに微笑む。



「それにあの子は・・・」



「母上!!」



部屋に戻ったアルト様が、大声でエリス様の言葉を遮《さえぎ》った。

そして、何かを誤魔化すように微笑んだ。

「その話は、恥ずかしいのでその辺にしてくれませんか。・・・ほら、それよりもプレゼントのイヤリングをリーネに渡すんでしょう?」

エリス様は少し戸惑いながらも、私の前にプレゼントを置いて下さる。
< 55 / 72 >

この作品をシェア

pagetop